FRBのパウエル議長は6月22日、上院銀行委員会の公聴会で証言。
- インフレ退治を最優先とする
- 大幅利上げによるリセッションに陥る可能性はある
- 利上げしなければ高インフレが定着してしまう
先週のFOMCを受け、マーケットの注目はリセッションに陥る可能性ではなく、リセッションがいつから、そのくらいの深さなのか?に集まっていると思います。
先週のFOMCでFRBパウエル議長の思惑は市場に伝わっていたと思いますが、6月22日の公聴会での発言に注目が集まりました。
まずは、6月22日の米国株式市場を見てみましょう。
パウエル議長の公聴会での発言を受けて一時期反発していましたが、間際に売りが入り3指数共に下げています。
ヒートマップ的にはマダラ模様です。
株価の下落局面では、テック株、グロース株が売られ、バリュー株やエネルギー株へのシフトが進んでいました。
ところが、リセッション入りが見えてきた段階でエネルギー関連から引き上げや値頃感の出てきたテック株への回帰などセクターのバランシングの動きが感じられます。
短期、中期、長期金利ともに下がっています。
FRB議長、軟着陸「非常に困難」-景気後退の「可能性」はある
Source:FRB議長、軟着陸「非常に困難」-景気後退の「可能性」はある
パウエル議長の発言はこんな感じです。
- インフレ退治を最優先とする
- 大幅利上げによるリセッションに陥る可能性はある
- 利上げしなければ高インフレが定着してしまう
要は、痛みを伴う『ハードランディング不可避』という点でしょう。
雇用に関しても、失業率が上がれば購買力が下がりインフレを抑える効果があるため、失業率の上昇は致し方ないとの考え方です。
先日、テスラCEOのイーロンマスクが10%のリストラを発表していますが、米国企業は一番コスト調整しやすい人件費を削減してきます。
金利上昇を受けて、住宅の需要が減ってきたためにJPモルガンが住宅ローン部門の1,000人の人員削減を発表しています。
参考:JPモルガン、住宅ローン部門で人員削減 金利上昇で需要減
アメリカの社会が、人材の流動性が高いところから来ているのだと思いますが、終身雇用が金科玉条とされてきた日本の頭の硬い人たちには理解し難いところでしょう。
ちなみに、管理人は実体験があります。
ニューヨーク、シンガポール、香港からの駐在から日本への帰国以降、多くの外資系IT企業に勤務してきましたのでこの辺の痛みを肌で感じました。
特に、ドットコムバブルの時期の古巣のシスコシステムズのリストラは悲惨でした…
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